今日は、ある事例を交えながら、お母さんが子どもにやりがちな、また、妻が夫にやりがちな「ダブルバインド」のお話をしていきたいと思います。
あなたの考え方のヒントになれば幸いです。
こんな状況に心当たりはありますか?
まずは、こちらの事例を読んでみてください。
小さい頃、母は、小さな飲食店を父と共に切り盛りしていました。
いつもばたばたと忙しく過ごしている人でした。
小さい頃、忙しい母は、お店と私たちが居る文化住宅を行ったり来たりしていました。
お家の用事をしては、お店に帰りという毎日。
お家に戻ってくるごとに、私たち姉妹にこんな小言を言うのです。
「もう、ほんっとーーーにあなたたちは、ちっとも手伝ってくれない!」
「お母さんのこと考えてくれたら、片付けとかしておいてくれる気にはならないの?」
こんなことを言いながら、お母さんは自分で片付けるのです。
わたしはお母さんから叱られるのが嫌で仕方なく、お母さんのお手伝いにと、洗い物をしてみたり、片付けをしてみたりするのですが……
いかんせん、小学生です。
上手くできないし、素早くもできまん。
そんなわたしを見てお母さんは
「もーーーー!!!!どんくさい! のいて! 自分でする!」
といっては、自分でやってしまうのです。
「余計に用事が増えるわ!!!」と言いながら、お母さんは結局、家の用事をひとりで片付けます。
いかがでしょうか?
実はこの事例、私の子どもの頃の状況です。
なにか気づくことはありましたか?
このような状況においてはダブルバインドが生じます。
「ダブルバインド」とは心理学用語で、二重拘束と訳されます。
相手に二つの矛盾した命令をすることで、相手の精神にストレスがかかるコミュニケーションです。
では、この状況において、いったい誰が二重拘束されている状態にあると思いますか?
心を拘束する「ダブルバインド」ってどんなもの?
事例で生じるダブルバインドを簡単にいうと、こんな状況です↓
————
母「なんで手伝ってくれないの?!」
↓
わたし「手伝って!」といわれた
母「もういい! 自分でするから!!」
↓
わたし「手伝わなくてもいい」といわれた
わたしの心の声「どっちやねん?!」
↓
わたし=動けなくなる
————
このようなダブルバインドは、子どもの力を奪ってしまうやり方です。
子どもをダブルバインドに陥らせているお母さんはこんな状態です↓
———
待つことができない
見守ることができない
教えることができない
具体的なお願いをすることができない
———
けれどもこれは、子どもに、無価値観と罪悪感をもたらします。
もちろん、お母さんのことは愛しています。
尊敬もするし、すごい人だ、とも思います。
今では、かわいいおばあちゃんです。
大好きです。
そして大人になった今のわたしは、「お母さんもあの頃はゆとりがなかったんだよね」とも思っています。
けれども子どもの頃のお母さんのやり方は……やっぱり嫌です。
母の存在は、今も昔も変わらず「大好き」です。
でも、子どもの頃のわたしは大いに傷つきました。
「ダブルバインド」をもたらすやり方を、好きになることはできません。
だから今、「お母さん」に性愛心理学をお伝えしているのかもしれません。
「お母さん、そんなにわたしはダメですか?」
「お母さん、そんなにわたしは出来損ないですか?」
「お母さん、そんなにわたしは頑張っても報われませんか?」
「お母さん、わたしは迷惑な存在ですか?」
子どものわたしがが、こんな思い込みを持つのは簡単でした。
けれども、自分が母親になったとき、自分の子どもたちに同じことをしていることに愕然したことを覚えています。
口は出す。でも、待てない、いらいらする……
そうして、休めない、ゆっくり出来ない、自分を止められない…
休めないほどに、わたしは自分で自分を追い込んでいたのです。
何もしない自分には価値が無く、そして、休めば感じる無価値感を感じたくはないので、ばたばたと忙しく動き回っていまいた。
母と同じように。
お母さんというお仕事で、一番大切なのは「ゆとり」です。
そして、子どもに暗に「助けて」というのではなく、パートナーに直接「助けて」といえるようにしてほしいのです。
だから女性のあなたから、はじめて欲しいのです。
よくよく振返ってみると、母は父にも同じようなことをしていたことを思い出します。
「役に立たないと私は価値がない」という思いこみがあると、相手の先回りをして、無価値感を埋めるため、愛される為に、嫌われないように、役に立たなければと動きます。
母は、たくさんのことを自分で抱え込むのだけど、結局いっぱいになってしまいます。
誰かにお願いすることも出来ずにいらいらして……
「誰もわたしを手伝ってくれない」
「誰もわたしをわかってくれない」
「誰もわたしを助けてくれない」
「誰もわたしを理解してくれない」
と、母は父にかんしゃくを起こしていました。
父にとっても、これはダブルバインドです。
無意識のうちに、母は父の能力を奪っていたと思います。
男性にとっては、身近な女が笑顔でおれないというのがきつかっただろうと思います。
「一番大切な女も笑顔に出来ないなんて……自分はなんて価値が無いんだ」と。
そうして父は、罪悪感と無価値感を抱えてお酒に逃げたんだろうな、と振り返ります。
女性が
「助けて」というだけで
「解って欲しい」と、自分の胸のうちを伝えるだけで
「お願いします」というだけで
男性も子どもも、その女性も……すべてが救われるのだと思います。
あなたが自分を相手に明け渡して「お願い」と言うだけで、周りは才能を発揮します。周りの才能が育ちます。
あなたの弱さは、あなたの周りの強さです。
私の母は、罪悪感も無価値感も強いタイプの人でした。
そうして、私もしっかり引きついでいます。
けれども、私が無価値感も罪悪感も手放すことができたのは、パートナーシップの心理学(性愛心理)のおかげだと思っています。
自分で自分の価値をしっかり受け取り続け、取り組み続けたから。
自分のおかげで癒さた。そう想います。
自分も大切な人もダメにしてしまう罪悪感も無価値観も……要らないと思いませんか?
「なぜ罪悪観や無価値観が性愛心理学で手放せるようになるの?」
「どうやって罪悪感や無価値観を手放せばいいの?」
もし気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。
また徹底的に深く学べる研修から入門講座までご用意しています。
全国で、この問題を扱えるセラピストも活動しています。
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