当協会では、性愛心理学を土台にしセラピーを扱えるセラピストを養成しています。
この養成講座でも必ずお話するトピックがあります。
それが、「感情」のお話です。
セラピストとして、「感情」の扱いはとても大切な要素です。
そこで今日は、みなさまにも、「感情」を扱えるようになるための第一歩をお伝えします。
「本物と偽物の感情」についてのお話です。
あなたの考え方のヒントになれば幸いです。
親があなたの「感情」に影響を与えてしまう?!
ですが、ここで大切なのは、感じるタイミングです。
感情は、起こったその時に感じることがとても大切なのです。
けれども、「起ったときに感じる」をできない人が多いです。
それは、なぜでしょうか?
それは、小さいころから、感情を感じることに規制をかけてきたからです。
私たちは小さい頃から
泣いてはダメ
怒ってはダメ
怖がってはダメ
わがままを言ってはいけない
弱音を吐いてはいけない
と、たくさんの「規制」を自分でかけてしまいます。
ところがこの「規制」……多くの人が、「親にさせられた」と思っています。
もちろん、厳しいしつけにより「感情を我慢しなきゃいけない」こともあるでしょう。
その結果、「感情を出さない」という規制ができた、という場合もあるでしょう。
そのせいで自由に生きていけなくなった、ということがあるかもしれません。
ではそもそも、なぜ親の言うことを聞こうとしたのでしょうか?
「親がいなかったら生きていけないから」これに、他なりません。
それは仕方がない?? でも……ちょっとまてよ?!
親に叱られると怖いのは「親に嫌われると生きていけないから」
裏を返せば、「親がいなかったら生きていけないから、『わたし』は親の言うことを聞いて自分の感情を我慢した」とも言えます。
つまり……規制を自分でかけてきたのです。親がいなかったら生きていけなかったから。
でもそういう理由があるならば、自分で自分の気持ちに規制をかけるにも仕方がない……と、思われますか?
けれども、ここで「ん?! まてよ……」と立ち止まってほしいのです。
<親に叱られると怖いのは、「親に嫌われると生きていけないから」>を、疑ってほしいのです。
あなたは、今、子どもですか?
これをお読みくださっている方は、成人されている「大人」がほとんどだと思います。
親が居なくても生きていける、「大人」です。
(大人になってもなお、親がいなくなることへ過剰な不安がある場合は、セラピーなどを受けられることをおすすめしています)
仕事もできるし、生活も出来る、親以外の人と仲良くなりサポートも受けることができる、あなたは、十分に大人です。
親に見捨てられても、嫌われても、生きていける大人なのです。
何が本物の感情であり、偽物の感情なのか?
ここで「感情」の話しにもどります。
いまから大切なことを、あなたに問いかけます。
いま感じている感情は、あなたの感情ですか? それとも、親との関係性で生まれた感情ですか?
つまり……感情を感じるときに、子どものころの記憶をよみがえらせていませんか?
たとえばこれはどうでしょう……
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子どものころ、親が犬は嫌い! と言っていた。
↓
私も「犬は嫌い」でないといけない。
↓
大人になって「犬は好き?」と聞かれると、ついつい「嫌い」といってしまう。
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あなたがついつい口走ってしまう「犬が嫌い」の理由が、「親が嫌いと言っていた」以外に思い浮かばなければ……そこには「親との関係性で生まれた感情」が混じっています。
昔の記憶を通して出てくる感情を、「親との関係性で生まれた感情」=「偽物の感情」といいます。
今の出来事に、過去の記憶が出てくるのかこないのか、ここが、「偽物の感情」を見極めるポイントになります。
たとえ、親が「犬は嫌い」と言っていたとしても、あなたは「犬が好き」でも「どっちでもない」でもいいのですから。
多くの場合、親のルールからその感情を持っている、ということがあります。
それは、小さい頃に身につけた、自分を守る術の名残なのだと思います。
だからこそ、小さい頃に身につけたものなのか、今のものなのか、を区別してみる必要があります。
感情を感じたあとに、「それほんと?」と、疑ってみることで。
「親との関係性で生まれた感情」が、偽物の感情です。
「私の感情」が、本物の感情です。
感情を感じることさえも、親のルールを超えてわたしの感情をしっかりと味わう必要があるのです。
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